キジトラのブログ

仮想通貨取引botなどについて書いていきたいと思います

古き良き時代を振り返る 2017~2018アビトラ編

こんにちは、キジトラです。1年ちょいぶりのブログ更新になります。 今、仮想通貨botter界隈では、「話してもあまり支障なさそうなことをポロリしちゃおう!」という空気が醸成されつつあります。 大きな活動だと、Hohetoさん(@i_love_profit)が「仮想通貨botter Advent Calendar 2021」というクリスマスまで毎日誰かがnoteを書くという活動をされています。

他にも、本日は黒枝さん(@kuroeda_0011)という方が非常に面白いnoteを書かれていました。

この流れに乗って私もちょっと昔の話をポロリして、他のbotterがポロリしたくなる雰囲気の醸成につなげられればなと思います。 (せっかくブログを持っていたことを思い出したので、noteではなくこちらで書くことにしました。Hohetoさんごめんなさい) Advent Calendarは外部サイトの記事でもよいそうです。じゃんじゃん参加しましょう!(勘違いしてごめんなさい)

エッジは消失していて、過去のことを調べなおすのも面倒なので、ほぼ記憶を頼りに書きたいと思います。そもそもの私の理解不足や、細かい数字などで間違いなどあったらごめんなさい。

仮想通貨触り始め

私が仮想通貨を触り始めたのは2017の春でした。当時仕事がひと段落してちょっと時間があったときに、どこぞの親切な人が書いた、APIを叩いてBTCでアービトラージしよう!(サンプルコード付き)みたいなブログ記事を見たのがきっかけでした。私は趣味で少しローカルで数値計算するようなプログラムを書いたことがある程度だったので、そのとき初めてHTTPのGETだのPOSTだの、JSONだのを触って、ふーんこんな仕組みなんだと感心した記憶があります。

ちなみに、私は学生のときに為替を雰囲気裁量で触って痛い目を見て、「こんなランダムに動くものの上下なんて分かるわけないだろ」という思想が染みついていたので、仮想通貨は最初からbotでアビトラしかしないつもりでスタートしました。

アビトラbot運用

価格のログを取ってみると、取引手数料と送金手数料を引いても利益が出るくらいの乖離(大きいときは数%)が頻繁にあることが分かりました。最初は運用資金数十万円からスタートしましたが、実際に動かして期待通りに動くことがわかってから徐々に入金額を増やし、その年の最後には貯金の大部分(数百万円)を仮想通貨に突っ込んでいました。市場としては、国内取引所も触っていましたが、APIから送金も自動化できる海外取引所もよく使っていました。よく使っていたのはBinanceとBittrexで、メジャー通貨はもちろん、わけの分からない草コインも結構触っていました。

botのアルゴとしては、10秒に1回REST APIでOrderBookを取得して、取引したい量の深さで乖離がしきい値を超えていれば成り行き注文、くらいの非常に原始的なものでした。こんなアルゴで、かつBinance手数料0.075%、Bittrex手数料0.25%を払ってでも利益が出るくらいのチャンスが当時はざらにあったのです。まさにGood Old Days(古き良き時代)です。

こんな、時代がよかっただけのしょうもない話をされても、とお思いの方も多いと思うので、以下では、やってた人は少ないであろう、GateHubを使ったアビトラについて書きたいと思います。

GateHubとは?

このあたり正確に理解している自信がないので、もし興味ある方はご自分でちゃんとしたドキュメントを当たってください。

雰囲気だけ書くと、リップルのネットワークがあって、そこではもちろんXRPが流通しているのですが、XRPだけでなく、他の通貨の引換券(IOU)も流通しています。 GateHubというのは、BTCやETHの引換券を発行しているところです。本物のBTCやETHをGateHubに送金すると引換券を発行してくれて、逆に引換券をGateHubに持っていくと本物のBTCやETHを送金してくれます。 (余談ですが、昔はJPYの引換券を発行しているところもありました。)

また、リップルのネットワーク上では各通貨(の引換券)同士を板取引する機能があり、XRP/BTC(引換券)、XRP/ETH(引換券)などを板取引することができました。

GateHubはウォレットのUI機能も提供していて、web画面からお金を送金したり、板取引をしたりできました。 ただ、このウォレット機能が結構怪しくて、メールアドレスとパスワードでアカウントを作ると、あなたのウォレットの秘密鍵はこれです、みたいな感じで秘密鍵をダウンロードできるのですが、明らかにGateHub側も秘密鍵を保存しており、今思うとセキュリティ的にかなり怖いものです。GateHubに入れてたお金がなくなった、みたいな話もtwitterでちらほら見ました。どこから鍵が漏れたかは調べようもないですが。

また、UI上から本物のBTCやETHを送金しても、その履歴をUIから見ることができず、しかも結構送金が遅れることがあり、すごく不安になることが多々ありました。また、表示されている送金手数料以上に手数料が引かれて送金されるトラブルもありました。結局、私は送金時は宛先アドレスと送金量を入力した時点でスクリーンショットを取り、おかしかったらサポートにメールするという、すごく面倒な運用をしていました。

こんな感じのスクショを延々と保存していました。 f:id:kijitora_2018:20211201174335p:plain

GateHubでのアビトラ

それだけのリスクをとったり面倒なことをしてまでなぜGateHubを使っていたかというと、そこに乖離があったからの一言に尽きます。板取引機能はネットワーク上にあり、発注にはネットワークにトランザクションを投げる必要があります。普通の取引所のように簡単なAPIが提供されておらず、非常にとっつきづらいです。私も、公式から出ているjavascriptか何かのライブラリをやっとのことで使って注文のトランザクションを投げていました。このとっつきづらさのためか、他の取引所間に比べてGateHubでは乖離が大きい傾向がありました。

ちなみに、今GateHubの板を見るとこんな感じです。 f:id:kijitora_2018:20211201173214p:plain 今となっては見る影もないですね…

2017~2018の成績

GateHub含め、アビトラメインでやっていたのは2017~2018の期間でした。その後は市場の効率化が進み乖離が狭くなったのと、他の手法に注力していたため、アビトラbotは停止しています。当時はヘッジなどという言葉も知らず(そもそも今ほどいろいろ先物市場もなかったと思いますが)、現物を裸で持ってアビトラしていました。2017は裸運用がプラスに働いて、アビトラ+現物益でサラリーマンとしての給与収入を大きく超える利益が出ました。一方2018は裸運用が大きくマイナスに働き、アビトラ機会の減少もあって、トータルで給与を上回る損失を出しました。税制的に赤字は繰り越せないので、2017-2018通算で見ると、正味の利益の7割くらいは税金として持っていかれたことになるのではないかと思います。仮想通貨で一番儲けてるのは国です。間違いありません。

終わりに

記事を書いてて思いましたが、リップルのネットワークの板取引って、今流行りのDEXに通じるところがありますね。知らず知らずのうちに流行を先取りしていたようです。今では完全に出遅れてしまいましたが。どなたかsolanaのDeFi/DEXでバリバリ儲ける方法教えてください! 他のbotterの皆さんも、ぜひこの流れに乗って、思う存分ポロリしちゃってください!

それではまた。